January 28, 2007
小さな旅 [旅〜journey〜]
電機の町として名高い秋葉原に本当に久しぶりに行ってきた。
かつて秋葉原には二つの顔があった。
電機ともうひとつの顔、それは「やっちゃば」と呼ばれた神田青果市場だった。
秋葉原は昼間から夜にかけては電機、深夜から翌日の午前中まではやっちゃばの町だったのだ。
当時、表通りこそ電気街だが裏通りに入ると仲買の事務所や倉庫が列んでいたが、そこはもうほとんどなく、今やほとんどがパソコン関係のショップに換わっていた。
実は今から約25年前、オレはこのやっちゃばで、夜中に野菜を担いでいたのだ。
オレが働いていたやっちゃばは今大きなビルが建っていて、あの頃の面影は全くなく、電気街を目的に訪れる人の波のすごいこと、ここに日本最大の青果市場があったことなんて若い世代には全く信じられないだろうな、と感慨ひとしおだった。
オレが勤務していたのはやっちゃばの仲買の一つで、場外に会社の事務所と倉庫兼社長宅があった。
社長宅は建て直されていたが、表札から今でもそこに社長が住宅のみとして住んでいるようだった。
表札の横には小さな、表札のような仲買の看板もあった。
やっちゃばこそなくなったがその店は今でも大田区の大井に移った市場にあるのだ。
訪ねていきたい気持ちもあったけれど、オレのことは果たして憶えてくれているだろうか。
時の流れといってしまえば簡単だけれど、確かにオレはかつてそこにいたという証はその表札だけだったかもしれない。
かなり干渉がこみ上げた一瞬だった。





